クリープハイプの楽曲「キケンアアソビ」で、つれ青のMMV(マンガミュージックビデオ)が、八月十七日に公開された。
感想
Good Point
率直に言って、つれ青の焼けただれるような淫らな空気を見事に表現してくれて素晴らしい。
ミハヤの吐息を感じられるようなMMVに仕上がっている。
そして、淫靡さ一辺倒かと思いきや、ミハヤと関わることの危うさもきちんと描かれており、アラタが危険な関係に興じていることが伝わってきた。やはり商業でやっている方々が作成したものはクオリティが高い。
やはりプロはちがう。と感じた。
このMMVを作成したのは、株式会社MAGIA(https://magia.co.jp/)というマンガ関連のMVやPVを作成する集団だ。
イラストの中に歌詞を書き込んでいる箇所がいくつもあるのだが、それが全く邪魔にならず、むしろしっくりくる。
1分41秒の「って嘘だよ」と、2分49秒~58秒の場面は、それぞれの作品のシンクロ率が100%に達した瞬間だった。
なにより不思議なのだが、原曲はもっとエロティックなPVで、ダイレクトに性的表現をしているにも関わらず、アラタとミハヤの交流の具合としっくりくるのだ。
ミハヤとアラタは「アラタが一度もケダモノにならなければ、アラタの勝ち」という賭けをしているので、夢に見ることはあっても、実際に肉体関係をもつことは全くない。
なのに、曲とかみ合っているのが、不思議でしょうがない。
淫靡さを表現する点では、クリープハイプは優れているので、だからこそ親和性が高いのだろう。
Bad Point
残念ながらマイナスに感じられたことが2つある。
1つ目は、怪異の折り込み方は強引な感じがする。
ミハヤと一緒にいることでさまざまな怪異に襲われるという怖さを演出してくれたのだろうが、すると化学室の怪異は演出としていらない。
むしろファンクラブと絡みによる人間的な恐怖に焦点を絞ってくれたら、曲との相性も良かったと思うのだ。
2つ目は、2分59秒の作りこみが、物足りなく感じた。
歌詞との親和性が弱く感じている。
そして、ミハヤの印象的なシーンを写真のように演出していたのも、大好きな演出なのだが、この演出はkurobe氏の「ベルフェゴールの探求」と同じ展開であり、目新しさに欠け、二番煎じ感が否めない。
ほかのMADが存在しない中で、締めくくりかたがアマチュアと被るのは、下調べが甘い。と言わざるをえない。
このMADのクオリティも非常に素晴らしいので、もし見ていないならばチェックしてほしい。
総括
まとめると、3分くらいまでは最高、以降はやや失速である。
とはいえ、こうして動画が作られたことには重要な意義がある。
このMMVをきっかけにもっと作品が売れて、どんどん派生が広がって欲しい。
OVAになってくれたら、歓喜の極みである。
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