柱場と語る
ハルヲがアラタに兄の日記の内容を語り、その内容はアラタの夢の内容と酷似していた。
兄の死という結末を、アラタにも投影し、ミハヤと別れるように説得しますが、失敗に終わる。
ここで一番気になるのが、ハルヲの「でももう他人じゃない」というセリフ。
何をもって、ハルヲはアラタを他人ではないと思ったのか。
兄と同じようにミハヤに恋焦がれるアラタを見捨てることはできないと思ったのか。
新聞部とのいざこざを経て、速水ミハヤにギリギリまで迫られたハルヲを逃がしてくれたアラタに対し「必ず借りを返す」と言っていた柱場ハルヲ。
もう他人事にできるほど薄い関係性ではない。という言い分だと考えるのは、浅い推測に思えるが、どうだろうか。
ナツメが語る
ここで場面転換し、大人ナツメとハスミが登場した。
今まで答にしか登場していなかったため、意外な登場である。
この場面転換で登場した卒業文集と思わしき、背表紙から時間の経過が推測できる。
平成十一年の文集があることから、平成十二年を舞台としており、
未来の時間は、平成二十一年の文集から、平成二十二年である。
10年後の未来を描いていることが、この瞬間明らかになった。
Hint メインの時間軸→平成十二年 (西暦二〇〇〇年) 未来の時間軸 →平成二十二年(西暦二〇一〇年)
さて、柱場・兄の日記兼メモ帳が発見される。
ついぞ十年間、発見されることのなかったメモ帳は『知らずの間』で中園ナツメによって発見された。
ここで衝撃の事実が明らかになる。
アラタはどうやら死んでしまったようだ。
この瞬間のナツメの表情は、イラストのタッチを変化させて、儚く消えいりそうな、もう涙も出なくなった思い出を振り返るような微笑みだ。
この表情から、ナツメはアラタのことを仲間として、信頼していたことが感じさせられる。
だが、第三答で「道連れ」しかことに対する罪悪感も読み取れる。
哀しみと罪悪感は共存するので、きっと両方含んでいるのだろう。
本題に戻ろう。アラタの死が判明したが、どのタイミングで死んだのかわからない。
ミハヤとの接点を持つ中で亡くなったのか、それとも怪異の追求のために亡くなったのか。
第二十八問の中ではまだまだわからないが多いが、次の話で多少なりとも明らかになることを期待しよう。
余談だが、女子高生ハスミの可愛さは、スッと覗くしぐさがたまらなく可愛い。顔の良さという破壊力が、正面から叩きつけられる。すばらしい。
最後に
第二十八問といいながら、これまでの謎とされていた部分が、すこし解き明かされる話だった。
となると、tomomi先生は第○答と題するエピソードに込めた意味合いがわからなくなってくる。
一体に名に対する回答なのだろうか。
次回、二〇二三年二月二十四日予定。
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