三十四問までのアラタとミハヤとロマンスは鳴りを潜め、もう一つのテーマである七不思議に展開した。
走るミハヤ
Twitterでは先出ししてくれていたミハヤは、冒頭に登場した。
ストーリーに絡みはしなかったが、今までにないミハヤであり、新しい扉を開いてくれた。
男子との体育に交じり、カッコよさを出しつつも、次のページで汗をぬぐうミハヤの色気は、胸にくるものがある。
こんなに最高のイラストにも関わらず、フキダシのセリフの辛辣さとの対比がシュールであった。
勉強を煽るための脅し文句として、初めて目にする言い回しである。恐ろしい。
七不思議
学校の七不思議がついに全て登場した。
人の居ない体育館で白い花を見つけても触れてはいけない。
出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十五問 著者:tomomi
放課後、屋上が異世界と繋がることがある。だから行ってはいけない。
人の居ない科学室で誰かに呼ばれても応じてはいけない。
一階男子トイレの二番目の個室を上からのぞいてはいけない。
水面が揺れていない時のプールに入ってはいけない。
二年二組の教室の隅にある一組の席は片付けてはいけない。
一階の突き当りの廊下にドアを見つけたら、入ってはいけない。
速水先輩について知ってはいけない。
……
八個ある……
なぜか八個ある。
七個でないこと、そしてアラタが最近探った噂が含まれていないことに疑問が生じる。
探った噂が偽物であることを疑うアラタに対し、「全ての七不思議を知ってはいけない」と答えるナツメ。
しかしだ。
我々読者諸氏は、アラタの探った噂はいずれも怪異という実態を伴っていることを知っている。
あくまで「七不思議に含まれていない」だけであり、ナツメのメモに書かれていなかっただけで、十分に不可思議な実体があったことを知っているのである。
ここで管理人は、偽物ではなく、古い七不思議の混在だと投げかけたい。
物語にたびたび廃校になった校舎が登場してくるが、廃校の七不思議と現代の七不思議を合わせると十四個の七不思議となる。
廃校のお化けが含まれているかもしれないし、第三十四問でかけこんだ男子トイレは、1階かは分からないが、入り口から二番目の個室であった。
のぞく我々を睨みつけるミハヤは、なにか怪異を牽制していたのかもしれない。
のぞく誰か
そして、七不思議について話す二人をのぞく視線があった。
実に不気味な視線である。
この視線の犯人の憶測を始めるが、ナツメはアラタの好奇心をさらに煽ってきた。
全てを知る事で得られる「学校にまつわる大きな秘密」とか
出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十五問 著者:tomomi
それをアンタに知られるのを恐れている…とか
アラタとは別の道で怪異を追うナツメは、アラタを引き込もうと煽ってきたが、アラタは乗ってこなかった。
しかし、このあとのセリフは、さらに今後の続きを楽しみにさせてくれた。
おわりに
副題も変わり、新章突入したようだ。
七不思議の中身もわかり、ますます次回が楽しみである。
夏は怪談の季節だ。
アラタの一年目の夏は冷えるのだろう。
次回、二〇二三年六月三〇日更新予定。
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