第三十七問[塞いだのは何故か] つれないほど青くて あざといくらいに赤い 感想&考察

つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十七問 感想&考察 感想&考察

知山アラタと為水ショウコ

アラタの発案で七不思議狩りが始まった。
アラタとショウコの二人一組で動くのは驚きである。ショウコの誘いで、アラタと行動しているらしい。
わざわざ殺したいほどに憎いアラタと組む理由を「苦しむあなたを近くで見たい」と言うが、本当の目的は「アラタが破滅をどうやって回避したのか」聞き出す事であった。
自らが破滅せぬようにミハヤを遠ざけたショウコだからこそ、破滅を避ける方法があるのならば、喉から手が出るほど欲しい情報だろう。
ショウコも腹の底では、ミハヤに近づきたいのだ。破滅せずに近づけるならば、その回避方法を知りたいと思うのは当然である。

アラタも素直に教える意志があるようだが、破滅にまつわるいきさつや眼をつぶすにいたった考えを公衆の面前で話すのは憚られるらしい。
だからこそ、誰も入ってこれない「一階の突き当たりに現れる扉=知らずの間」を二人で探し、そして再開するのである。

知らずの間

知らずの間にたどりついたショウコとアラタだが、ショウコのセリフに気になるものがあった。

出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十七問 著者:tomomi

ショウコの「もう見ることは無いと思ってた」というセリフから推測するに、過去にこの扉を見た経験があるのだろう。

第一問でアラタがミハヤに出会ったのもこの扉であり、ショウコもミハヤを追いかける最中に、扉を見つけて、ひょっとすると入ったことがあるのかもしれない。

そのときに、ショウコは中に入って、ミハヤを信仰させるにいたらしめたナニカを見てしまったのだろう。アラタが見たのはミハヤの着替えであったが、きっと同じものを見て、ショウコは美しさを感じたのかもしれない。

速水ミハヤと中園ナツメ

ショウコとアラタが組んでいる裏で、なぜかミハヤとナツメが組んでいた。
よりによって仲が悪いこの二人が、である。
第三十七問の一~二ページ、アラタに詰め寄っていた(ナツメにいたっては首を絞めていたが・・・)理由がわかった。

ミハヤ「どうして私と一緒に回ろうとしない?」
ナツメ「ショウコの誘いになんで乗る!?しかも、なんでこいつ(=ミハヤ)と一緒なんだよ!」

こんな感じのことを言ったに想像に難くないだろう。

さてナツメがミハヤを毛嫌いする理由がはっきりした。
自分の意見をはっきりとしないこと、そして、何方付かずどっちつかずで曖昧な存在であろうとすることが気に食わないらしい。

出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十七問 著者:tomomi

しかし「アラタが去る者だったら?」と問われたときには、こんなにも哀しい表情を魅せてくれた。
このように感情を露骨に示すのは、アラタかナツメといるときだけである。

アラタには明らかに好感情を示しているし、ナツメのことはハッキリ敵だと言い切っている。

キャットファイトが好きなので、もっとやれと思っている。

おわりに

学校の外れにある無縁墓地に手を合わせ、何かにきづいたミハヤとナツメ。
はたして何が登場するのだろうか。
この二人と対峙するものは、シンプルな化物の姿を見せてくれることだろう。

そして、もう一方のアラタとショウコは、扉の奥で何を見るのか。
ミハヤの姿を見ても面白いが、展開として想像するのは普通の何の変哲もない教室しかなのだろう。

次回、二〇二三年七月二十八日更新予定。

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