第三十八問[抜けたのは何故か] つれないほど青くて あざといくらいに赤い 感想&考察

つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十八問 感想&考察 感想&考察

七不思議の一つ「学校の外れにある無煙墓地には手を合わせてはいけない 手を合わせてしまうと追いかけられる」の検証をするため、第三十七問ではお墓に手を合わせナツメが「面白くなってきた」と言ったところで終わった。

七不思議、現出

手を合わせたミハヤとナツメは来た道を戻り、振り返ると1つの墓石が着いてきていた。
追いかけてくる何かというのは、墓石であり、この無縁墓地に埋葬されたであろう人の残留思念なのであろう。

出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十八問 著者:tomomi

追いかけてくるということは身動きが取れる霊なのだが、彼らはいつまでも無縁墓地にいたのだ。

まだ離れるわけにはいかない理由は、死んだ後も誰にも忘れてほしくないのだ。誰かに優しくしてほしい、気にかけてほしいからこそ、いつまでも墓地にとどまり続けていたのだろう。

次のシーンで、墓石の数が増えていくのは、ゾッとする。
たった一人の想いではなく、幾人もの想いが積み重なり、これほどまでの数になったのだろう。

おいで

そんな無縁墓地の霊たちをミハヤが連れていくシーンが、第三十八問でとても印象的である。

出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第三十八問 著者:tomomi

ミハヤに誘われて、一人二人と多くの霊が後をついていくのだった。

受動的で、自ら積極的に動くことの少ないミハヤが、自分からお節介をやいたのだ。
霊に対して優しくするのは、体育館の白い手のとき以来である。

このミハヤのお節介に対して、ナツメが「変わったな」と言い、ミハヤが「知ってるくせに」というのがとても良い。
アタラのお節介さの影響を受けて、ミハヤの行動が変わっていくところが人間らしさを見せてくれるのが、愛おしく感じられた。

おわりに

無縁墓地の七不思議は、ミハヤとナツメによって、終着点にたどり着いた。
彼女たちを組ませたので、もっと荒々しいストーリーになるかと思ったが、静かなストーリーで完了したことに意外感が大きい。次の三十九問では、アラタとショウコが怪物から逃れる方法を語る場面になるとだろう。ショウコがどんな反応をするのか楽しみである。

そして、なんと第4巻が八月十八日に発売するようだ。
tomomi先生の予告ツイートががないので、ヌルっと告知され、非常に驚きである。

次回、二〇二三年八月十八日更新予定。

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