第四十六問[溢れたのは何故か] つれないほど青くて あざといくらいに赤い 感想&考察

つれないほど青くて あざといくらいに赤い 感想&考察

第四十五問では、首だけになったミハヤを晒され、戦慄する知山アラタ、中園ナツメ、為水ショウコ。
犬飼は、ミハヤの復活を示そうとするが、はたしてどうなったのか、見ていこう。

答え合わせ

犬飼が、ミハヤの復活を祈るのに対峙し、拒絶するアラタ。
「そんな神なら復活しなくていい」とミハヤの復活を拒絶せんばかりの物言いである。
その拒絶の答え合わせは、すぐにされた。

生首の正体は、ムジナの首だったのである。

出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 著者:tomomi

ミハヤの神秘性・正体を明かさずに、ミハヤの無事を示す最適解だ。
異世界でムジナが登場し、ミハヤの似姿で登場させたのは、この時の伏線だったのだ。

ミハヤの秘密を暴きたてるものを始末しようとして、登場しただけでなく、その先にもつながって来たのが、物語の深さを感じられた嬉しい限りである。

一方、ミハヤが死から復活することで、神の存在証明を果たそうとした犬飼と信者達は、混乱の渦中にあった。
手元にあると思っていたミハヤがいなくなったことで、必死に探そうとする犬飼は、アラタの眼の輝きにミハヤを見出したのだ。
混乱している犬飼には、もはやアラタの姿など関係なかったのだろう。
すがるようにアラタに近づくが、ナツメとショウコの暴力が迫っていた。

さて、気になる点がある。アラタの眼だ。

アラタの眼にもミハヤ同様の輝きをもたらし、あまつさえミハヤの首をムジナだと正体を看破して見せたのである。

きっかけは分からないが、ナツメのセリフにもあるように、ミハヤが二人だけで会っていたときに何かを仕込んだのであろう。

その仕込みが完成し、怪異を見抜く眼が発動したのは、おそらく冒頭で顔の右側から垂れる血をぬぐった瞬間だったのかもしれない。

この血をぬぐうコマは脈絡なく挿入されていたが、ここにつながっていたのだ。

出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 著者:tomomi

おわりに

ミハヤが死んでいないことが確認できた第四十六問。
次回、犬飼はナツメとショウコに捉えられ、いくつかの秘密が明かされることを期待したい。

一方で、今後に続くのはアラタの眼である。
怪異の正体を見る眼を得たアラタは、この先で出会う不可思議な出来事に対して、何を見出すのか?
そしてミハヤの正体を看破してしまった場合にどうなるのか?

物語がまだまだ続くことを予感させる第四十六問だったが、次回以降も楽しみである。

次回、二〇二三年十二月二十二日更新予定。

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