ハスミと鮫島の交渉は決裂し、戦いの火蓋が切られた31刻。
正体不明にして最凶の怪談『鮫島事件』に対して、ハスミは姦姦蛇螺を起動するーーー
開幕
姦姦蛇螺を起動したハスミにひるむことなく、鮫島は挑む。
鮫島の右腕の薙ぎ払いが迫るが、ハスミはいともたやすく受け止め、ひじから下を容赦なくもぎ取った。
それでも果断に攻め込み、右腕の骨でハスミの頭を貫きにかかるが、ハスミは歯で受け止め、大蛇と化した胴体で、鮫島を打ち払い、今度は根元から腕を奪い去った。
文句なしの圧勝である。
出典:八月九日 僕は君に喰われる。 著者:tomomi
姦姦蛇螺に襲われたという話は聞いたことがないが、元々非常に強い力を持った存在が怪異に生まれ変わったのが姦姦蛇螺であるので、強さについては文句なしである。
しかしながら、ハスミは鮫島にトドメを刺さなかった。
殺したところで特級怪異「八月九日」は解決せず、櫻井青につきまとう怪異が1体減るだけでは、大きな意味を持たないので、殺さなかったのだろう。
ハスミの美貌とスタイルと合わさって、非常にエロティックな体をしており、tomomi氏の女性の魅力が引き出されている。
暴力による快感を示す表情もすばらしい!
シン
怪異たちが櫻井青に執着する理由が明らかになった。
それは、人から化物になり果てた怪異たちに対し、人として接してくれた人物「シン」が由来しているというのだ。
かつて人であった怪異たちにとって、変わらず人として接してくれるシンは、どれほどの救いになるであろうか。
そして、シンがいるからこそ、完全に心を失わず、怪異に堕ちきらずに済んでいるのだろう。
いわば、シンの存在が人としての尊厳を最終防衛線なのだ。
だからこそシンのそばにいたい、添い遂げたいと、怪異たちは、求め、狂っているのだろう。
出典:八月九日 僕は君に喰われる。 著者:tomomi
しかし、さりげない発言中にもう一つ驚くべきことがあった。
ー牛女ー
出典:八月九日 僕は君に喰われる。 著者:tomomi
だからどれだけ時が経って名が変わっても私たちはあの子を必ず見つけ出す
かつて貴女たちから奪った この怪異譚がもつ力でね
「かつて貴女たちから奪った」とは、どういうことか。
まさか怪異たちは、元から怪異だったのではなく、ただの肉の塊であり、怪異譚を吹き込まれたことで怪異に変化したというのだろうか?
言葉通りに読み解くならば、前の台詞と並べると納得できる。
使人の謀りで「ただの肉の塊になり果てた」と言っているのだ。
「怪異になった」とは、口にしていない。
不死身の肉の塊となった元・人たちは、怪異を吹き込まれ、驚異的な怪異女になったのだろう。
怪異の姿を借りて、仮初の人の形を維持しながら、それでも櫻井青に、いや、シンに近づく彼女たちのなんといじらしいことだろうか。
だがしかし、青の隣にいるミヤコは、何者か分からないらしい。
これの示すところは、ミヤコだけは別の目的で青に近づいているのだ。
ミヤコの正体が次回で明かされることを期待しよう。
おわりに
約1か月ぶりの更新であった。
つれないほど青くて あざといくらいに赤いも同日更新予定であったが、こちらが更新延期となったのは、八月九日 僕は君に喰われる。を優先したからだろう。
こちらの物語も再スタートしたので、止まらずに進み続けてほしい。
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