第六十三問[この心残りは何処へ行く] つれないほど青くてあざといくらいに赤い 感想&考察

つれないほど青くてあざといくらいに赤い 感想&考察

中園ナツメのおかげで、一命を取り留めた知山アラタ。
プールの七不思議は決着したが、めでたしめでたしとなるはずもなく……

浸食

為水ショウコの家で身柄を拘束されているアラタは、自分の置かれた状況を知ることになった。

どうやら不可解な現象が連続して発生し、その原因がアラタであるとして、「強硬派」と呼ばれる連中がアラタの身柄を要求してきているようだ。

管理人
管理人

ショウコが「穏健派」……??

これまでも学校の七不思議に関わり、異常な出来事をアラタを通して目にしてきたが、町は至って平穏であり、アラタの周りのように怪異が現れることはなかったのだろう。

それが突如として異常事態が起きるにつれ、何者かのせいにするというのは、まるで魔女狩りのようである。

となると、一緒に話を聞いていたナツメも狙われていることになるが、今のところ一人で学校のプールにいることを考えると、ナツメが狙われてる様子はない。

ミハヤを信仰しているといっても「触らぬ神に祟りなし」のスタンスのようなので、ミハヤに手出ししないナツメは制裁の対象から外れているのだろう。

二人の差

ショウコの弱音が吐き出された。

新聞部部長として、ミハヤを信奉していたが、ミハヤから直接その接し方を否定され、それでもなお信仰し続けてきたショウコ。
犬飼の暴走にも立ち向かい、果断な行動を見せていたが、ミハヤへの接し方を変化させることはできなかったようである。

だから…「一緒」だなんで言わないで

出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第六十三問 著者:tomomi

アラタのように目を潰してまでミハヤのそばに居続けるほどの狂気を、ショウコは持ち合わせていなかったが、アラタに同じだと言われたことで、ついに感情の堰から言葉があふれ出てしまったようだ。

おわりに

平穏に終わるか、人間たちが暴れるか定かではない状況であったが、まさかの怪異出現であった。
正体不明の陰の登場とともにエピソードを終えたが、第六十四問では、この怪異を打ち払うために奔走し始めるだろう。

そして、扉絵の写真が気になっている。

出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第六十三問 著者:tomomi

右下の日付が「九十九年八月九日」となっている。
第六十二問からは、扉絵に出てくるのがミハヤではなく、正体不明の陰となっている。

八月九日僕は君に喰われる。とどのようなつながりを見せてくれるのだろうか。期待したい。

次回、二〇二四年九月二〇日更新予定。

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