知山アラタと矢印トキの鬼ごっこは終盤に至り、アラタは「逢魔が時の角不知」に追い込まれてしまった。
残り三十分、果たして無事に逃げ切れるのだろうか?
攻防
決着まであとわずかとなり、息もつかせぬ攻防が始まった。
少しでも油断をすれば、陰からトキの手が伸びてくるのだ。
出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第七十二問 著者:tomomi
しかし、この角不知ではいつまでも逃げ続けることができない。
残り時間三分のところで、ついに、アラタは廃ビルの屋上に追い込まれてしまった。
勝利を確信したトキは、饒舌にアラタを称賛し、アラタの思い出を奪い取れることに強く感動しているようだった。
痛み
ビルに追い込まれたアラタだったが、飛び降りることで無事に逃げ切ることができた。
アラタにとって、ミハヤのためであれば痛みを厭わずに行動できることが誇りとなっているのだろう。
俺が「知山アラタ」に固執できるのは
あの人の為なら痛みを厭わない気持ちがあるからだ出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第七十二問 著者:tomomi
ミハヤのために、死の淵まで行ったアラタだからこそ、どのような痛みであっても受け入れることができるのだろう。
さて、無事逃げ切ったところで、どうやって脱出するのか?という問題が残っていたが、やはりというか、案の定、速水ミハヤが現れて、抜け道を教えてくれた。
落下した怪我を見て、ミハヤから何かあったのかと尋ねられたが、なにも無かったと笑顔で答えたアラタは、やはり男の子なのだろう。
……何も
出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第七十二問 著者:tomomi
おわりに
鬼ごっこは、アラタの勝ち、トキの負けで決着した。
屋上に取り残されたトキは、自らの執念を示すかのようにアラタの落ちた場所に自らも屋上から飛び降りた。
ここで飛び降りたからといって何の意味もないだろうが、アラタの行動を模倣することで、少しでもアラタに近づこうとしているのだろう。
さて、何はともあれ、鬼ごっこが終わったので、一区切りである。
次回は、トキがまた勝負を仕掛けてくるのか、それとも新しい敵が追加されるのか、期待して待ちたい。
次回、二〇二五年二月十四日更新予定。
コメント