犬飼が速水ファン倶楽部を連れて、知山アラタ達に学校の秘密を探るのを止めに来たところで終わった第四十三問。
はたして、アラタ達は無事に逃げおおせるのか!?確認していこう。
鬼ごっこ
犬飼の信じる由緒正しい速水ファン倶楽部を使って、アラタ達に襲い掛かってきたが、柱場アハルヲや友人たちのおかげで、なんとか保健室から逃げだすことができた。
保健室から脱出したアラタ、中園ナツメ、為水ショウコは、逃げ出した犬飼を追いかける。
鬼ごっこの開始だ。
第四十三問で「鬼ごっこは得意か?」とアラタが犬飼に投げかけていたのが、きれいにつながった。
このアラタの質問の意図は、
①アラタが逃げるから、捕まえられるものなら捕まえてみろ。
②犬飼が異世界で鬼ごっこをする原因を作ったのか?
の2択を暗示し、次の展開につながるものだと思っていたのだが、まさか犬飼が逃げる側になるとは思ってもみなかった。
とはいえ、状況を見れば、大きくはズレていない。
逃げる犬飼を追うアラタ、ナツメ、ショウコ。
アラタ、ナツメ、ショウコを追う犬飼がけしかけた新聞部+αの生徒。
追いつ追われつの楽しい鬼ごっこが幕を開けた。
早い者勝ち
アラタ、ナツメ、ショウコの三人組だが、今回の七不思議調査に挑むことになった第三十六問でも、並々ならぬ意気込みを見せていた三人である。
アラタに捕まる分に安全だが、他2人がやばすぎる。
ナツメは怪異の恐怖を体験させようとしているし、ショウコは具体的なことは一切言わないが、耳を切り落とすくらいのことはしそうある。
決して、鬼側に回ってほしくない三人だ。
「犯人の処遇は早く捕まえた者勝ち」と当初の通りとなり、犬飼を追いかけ始めた。
出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 著者:tomomi
祈り
一方そのころ、速水ミハヤは、教室で、ミハヤを崇拝する奴らに勝手に祈られていた。
ぞろぞろと教室に入ってきて、各々に祈り始める信者(仮)たち。
祈りを捧げる対象であるミハヤの言葉すら耳に入れず、思い思いに手を組んでいるのである。
彼らに一体何を想い、祈りを捧げているのであろうか。
もはやミハヤに祈りを捧げるという行為そのものに囚われているようにも感じられる。
そもそも信者(仮)たちに自由意志があるのか定かではない。
ミハヤを捕らえるための檻として、信者で囲い、犬飼は神秘を独占しようとしているのかもしれない。
出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 著者:tomomi
最後のミハヤの一コマが胸に刺さる。
これを言われるなら、祈りを捧げたいものだ。
耳
これまで全く気付いていなかったのだが、ショウコの右耳が切り傷だらけであった。
単行本を読み返したところ、初登場時から右耳には切り傷があったが、過去の回想では綺麗であった。
このことと、登場したときのセリフ「耳を無くしては罪人とする」から類推されることは、ショウコも最初にファン倶楽部を作り上げたのではなく、もともと誰かがファン倶楽部を創設し、その創設者か初期メンバーから、耳を切られたに違いない。
そんなことがあったにも関わらず、ファン倶楽部の部長になったことに理解が追い付かないが、知られざる過去があるのだろう。
出典:つれないほど青くて あざといくらいに赤い 著者:tomomi
おわりに
さて、再来週の更新はなく、四週間後となる。
単行本の作業なのか、八月九日 僕は君に喰われる。の方なのか、なにかの予定があるのだろう。
次回、二〇二三年十一月二十四日更新予定。





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