第七十問[影追う者は何者か] つれないほど青くてあざといくらいに赤い 感想&考察

感想&考察

矢印トキという新人物が登場した第六十九問。
「アラタになりたい」と突拍子もないことを言うトキだが、本人にはそれを告げず、穏当な接触をしていると言えよう。
そんなトキを警戒し、アラタ周辺の人間も動き始める第七十問。

矢印トキ

トキが知山アラタに接触したことを契機に、中園ナツメがトキについて知るため、為水ショウコを訪ねた。
最初は柱場ハルヲに聞いてみたようだが、ショウコの方がよく知っているということで、来たようである。

どうやらトキは、元新聞部兼速水ミハヤファン倶楽部だったようだが一日しか所属していなかったようである。
その理由も、ミハヤに憧れた末の行動が、ほかのファン倶楽部員と異なり、「速水ミハヤになりたい」というものだったからのようである。

私もっ 速水ミハヤ様になりたいっ

出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第七十問 著者:tomomi
管理人
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このトキの雰囲気がとても好み!!

その言動だけでなく、外見や趣向も真似しようしており、全校生徒からも相手にされていないらしい。
耳を切られた痕跡もないので、暴力を振るわれることはなかったようだ。

そして、やはり気になるのはハルヲのセリフ通り、なぜトキがアラタに目をつけたかである。

目立つ存在になりたいというだけなら、ミハヤ以外にもいるはずだが、なにがきっかけとなったかである。

ミハヤ関連でストーキングしていたところ、ミハヤが珍しく興味を持った人間がアラタであり、だから付け回していたという可能性は大いにある。

この点はナツメとは大きく違うところだ。

ナツメがミハヤのことを好いていないのは明らかだが、わざわざ正面切って対立するのはアラタがいるからである。

なので、元々はミハヤとは距離が遠かったので、トキの関心を引かなかった可能性が大いにある。

鬼ごっこ

一方その頃、アラタはトキと下校中だった。
アラタの語るミハヤとの思い出を、実に羨ましそうに聞いている。

ミハヤとの鬼ごっこの再現ということで、二人で鬼ごっこをすることになるのだが、賭けの代償が狂気である。

僕が勝ったらさっき話してくれた追いかけっこのエピソード……
僕のモノとして扱って良いかなっ

出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第七十問 著者:tomomi

思い出の略奪というなかなかに狂った提案だ。

トキのモノとして扱うということは、アラタのモノとして扱ってはいけないということ。
アラタの記憶を奪うに等しい行為=始末する行為である。

しかも、ふと思いついたみたいなノリであるが、基本的に今までもそうしてきたのだろう。
暗躍するミハヤを信奉する強硬派の狙いとも合致しており、刺客のようにも見えてくる。

ここで一つ疑問を呈したい。

「ミハヤになりたい」という前は、誰になりたいと言っていたのだろうか。
これほどの狂気を孕んだ人間を前にして、人外であるミハヤはともかく、普通に生きてきた人間が逃げきれるとは思えない。

もしかすると、矢印トキという人物に成り代わった結果が、今の状態かもしれない。

となると、いつが始まりで、最初の正体はなんだったのか?ということになるが、物語が進むにつれてトキの正体が徐々につまびらかにされていくだろう。

おわりに

個人的に細々と好き勝手に書いているサイトだが、ちらほらと読んでくれている人がいるようで、この一年を感謝いたします。
SNSが怖くて全く宣伝していないが、それでも自分以外の人が見てくれているおかげで、この一年の更新もなんとか続けることができた。
誰も見ていなかったら、確実に途中でやめていたと思うので、継続できたのはひとえに読んでくれたあなたの力である。

つれ青と八月九日の登場人物が徐々に重なり始め、気になることだらけなので、二〇二五年も更新が続くように頑張りたい。
登場人物一覧も折を見て更新したいと思う。

次回、二〇二五年一月十七日更新予定。

コメント

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