第四十問では、知山アラタが速水ミハヤらしき人影を追いかけていた。
さびれた神社まで追いかけたところで、その人影の正体が判明し、顔のないばけものが目の前に現れた。
ばけもの
ばけものの正体が判明した。
「ツラカクシ」または「ムジナ」と呼ばれる妖怪である。
ひとことで表すと、顔の無いの人を襲う妖怪だ。
アラタはなぜ自分が襲われたのかと考えるが、ツラカクシにアラタを狙うという意思はない。
「知らずの間」を経由して、異世界に飛び込んできたアラタとショウコを誘い出し、たまたま釣れたのがアラタだった。というだけであろう。
ツラカクシは、あるがままの習性にしたがって、人間を襲っただけなのだ。
しかし、ツラカクシを手引きした存在の考えは違った。
ツラカクシの習性を利用して、アラタのように秘密を暴き立てる存在を排除せんとしたのである。
つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第四十一問 著者:tomomi
この排除を企んだものこそが、七不思議を増やしている存在なのだろう。
この存在は、まだ登場していない存在なのか、それとも既に登場している存在なのかは、まだわからない。
既出のキャラクターで怪しいのは、柱場アキトもしくは犬飼である。
とくにここ最近は、犬飼の登場頻度が増えている。
初登場時も危なそうな雰囲気を醸し出していたことから、ダークホースとして、暗躍しているパターンも期待したい。
猫
第四十一問だが、とにかく猫が出てきた。
かわいい、猫いっぱいでかわいい。
猫が好きな読者諸氏は、頬が緩むのをとめられなかったに違いない。
下の場面は、ツラカクシに追いかけられる緊迫したストーリーの中で、ほっこりする清涼剤になった。
つれないほど青くて あざといくらいに赤い 第四十一問 著者:tomomi
なぜこんなにも猫が出てきたのか?
それは、第六問で埋葬した猫の恩返しであったからだ。
好奇心ゆえに良い死に方は出来なかったが、亡骸を丁寧に葬ってくれた感謝の返礼として、同胞に頼んで、ツラカクシに襲われるアラタの生還の手助けをしてくれているのだ。
ちなみに、電話の主にしたがって通った道だが、第四問にも登場している。
つれないほど青くて あざといくらいに赤い1巻 第四問 著者:tomomi
しりとり
そして、第四問と近似するシーンがあったかと思えば、続く第五問で登場した「しりとりをしながら、トンネルからの脱出」が再現された。
ツラカクシに追いつかれ、なんとか抵抗している最中に、驚くべきことにミハヤが現れたのである。
雨の中、傘もささずに、異世界との入り口にまでたどり着き、アラタを救うためにやってきたのだろう。
しりとりの流れも、相変わらず素晴らしく、会話の流れ、ストーリーの流れやキャラクターの心情に添ったワードで続けている。
途中、しりとりがつながっていないと思うところがあったが、下の解釈が素晴らしいと思ったので、紹介したい。
今回のつれ青、四十一問の
— sakura 🎻💜垢移動 (@vio1et_666) September 15, 2023
速水先輩のしりとりがつながっていない件については"浮気"に対して"許可"を得ようとするアラタへの却下の意味で"許可"→"愚か"と繋げなかったんじゃないかと私は思っている
他の七不思議にふらふらと浮気して、あまつさえミハヤの後姿に騙されてホイホイと追いかける浮気者(=アラタ)に対して、しりとりを通して、怒りを伝えているのであり、「これには理由が……」と言い訳するアラタをかんたんには許さないという流れなのだろう。
最後、「好奇心」で自分の負けを認めたアラタのシーンがエモい。
自らのとめどない好奇心のすえに痛い目を見たからこそ、このワンシーンに深みが感じられる。
おわりに
無事に生還したアラタ。
もし一巻の流れを踏襲するならば、アラタには負けた罰ゲームがあるだろう。
しかも、罰ゲームにいたるまでの流れがミハヤにとっては不愉快なものに違いないので、これはこれで怖い展開がありそうであるが、我々読者諸氏にとってはロマンスな展開に広がることを楽しみにしたい。
最後に、第四十問について書いたあとに、登場人物一覧を作成したので紹介する。
「つれないほど青くて あざといくらいに赤い」「八月九日 僕は君に喰われる。」の両方の作品の主要人物を網羅している。
記憶の整理にもなるはずだ。
次回、二〇二三年九月二十九日更新予定。
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