第六十問[この重りは何処に行く] つれないほど青くてあざといくらいに赤い 感想&考察

つれないほど青くてあざといくらいに赤い 感想&考察

物語の世界でも夏休みが始まり、残った七不思議を解決するために、夜中の学校のプールにやってきた知山アラタと速水ミハヤ。

自殺を演ずるかのようにプールに飛び込んだ二人だが、アラタに魔が差したのだろう。
水中でアラタはミハヤに口づけし、お互いの酸素を奪い合うのだった。

その結末は果たして……

欲情

どうやらいつの間にかプールサイドに上がってきたようだ。
どうやって上げってきたのか記憶が定かでないようだが、人生のピリオドとはならなかったらしい。

心中したんだっけ

出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第六十問 著者:tomomi

しかし、これで終わりとは言い難い。
読者にしかわからないが、欄外の「七不思議のその先へ…。」が意味深すぎるのだ。
しかもたった3ページでこうなったものだから、非常に驚いた。

管理人
管理人

アップロードをミスったのかと思った……!!

欄外の言葉を信用するならば、ここは死後の世界、もしくは生死の狭間にいると仮定してよいだろう。
満月の水面が、言わば三途の川ということになるだろう。

欲情

意識が戻らないミハヤを見て、アラタは不気味さを感じてしまうのだが、そんな自分に嫌気が差したのか、アラタはミハヤから距離を置いてうずくまっていた。

目を覚ましたミハヤは、気落ちしたアラタに声をかけるのだが、そのセリフが妙であった。

流石に死体に欲情はしなかったか

当たり前でしょう

出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第六十問 著者:tomomi

もし、お互いに多少の慕情があり、いくらでも手を出せる隙があっても、ついぞ手を出されなければ、意気地なしと思うだろう。
この二人の場合は、アラタがケダモノにならない。という賭けをしているので、手を出さないことが最善であるのだが、「死体に欲情をしない」は変なセリフである。

これまでのミハヤのセリフから考えるに、からかうようなセリフを言いそうなものである。

それが「死体に」とはっきり口にしているのだから、言葉にはハッキリとしないが、ミハヤの正体にたどり着いていることを、察していると推論される。

七不思議「満月の夜 月が綺麗に映ったプールには入ってはいけない」の真相を暴くために、乗り込んだはずだが、ふと見上げた月は欠けていた。

これで、異なる世界に潜り込んだことが確定した。

果たして体ごと迷い込んだのか、意識だけ引っ張られているのかわからないが、少なくとも、元々いた空間とは異なる次元に迷い込んだことは確かだろう。

おわりに

仮称・死後の世界の旅が始まった。
この世界を抜け出すためには何をしたらよいだろうか
ヨモツヘグイをして、囚われないことを願おう。

次回、二〇二四年八月九日更新予定であるが、もう一つの作品である「八月九日 僕は君に喰われる。」はどうなるのだろうか。

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