八月九日 僕は君に喰われる。 第35刻 感想&考察

八月九日僕は君に喰われる 感想&考察

2人のミヤコの戦いの最中、最初から登場していたミヤコの正体が「怪異の典拠」だと明かされた。
このまま戦闘が継続するかと思っていたが、いつの間にか戦闘は終了していた。

場面は変わり、牛女と工藤ハスミが鮫島を退けた後にまで戻ったところから始まる35刻が始まる。

八百比丘尼伝説

櫻井青に迫る怪異譚たちについて、その正体が突然明かされた。

そして貴女たちが人として原型を留めなくなった頃 神の使人は再び現れ
その呪いを解く毒の存在を教え 毒を奪い合うための力を与えた
毒とは今は櫻井青に記憶転移しつつあるシンの心臓
そして力とはかつて使人が我々から盗んだ「怪異譚」
怪異を語った逸話が持つ恐怖の影響力
それが力の媒体であり貴女たちは話を自ら再現することでその一端の力を得ている

出典:八月九日僕は君に喰われる。35刻 著者:tomomi

ハスミの語る回答に、牛女は「良」と述べるので、おおむね正しいのだろう。
怪異譚たちは、死ねない呪いをかけられた村人たちで、その呪いを解く毒=自らを殺す毒が青の心臓なのだ。

そして、毒を得るための奪い合いをさらなる混沌に仕立て上げるために使人からもたらされたのが、ハスミが属する組織が管理していた怪異譚なのである。

この怪異譚の「送り狼」で姿を現したのが、スカート丈が長い方の送り狼なのである。

しかし、どうやら怪異譚「送り狼」は、逸話のテープが力の源泉ではなく、狼の心臓が力の源泉となっているようである。
となれば、どこで手にいれたのだろうか?

組織が管理・蒐集していたのは怪異譚であって、狼の遺骸ではない。
なので、別の経路から「送り狼」の力を強奪したに違いないのだ。

馬鹿な奴らめ
この媒体は結末の変わらない「お噺」とは違う

出典:八月九日僕は君に喰われる。35刻 著者:tomomi
管理人
管理人

速水ミハヤがこんなところに……?

そして更なる疑問がある。
原典の送り狼であるミヤコは、なぜ青に執着するのか?である。

これまでの話を総括すると、ミヤコは村人ではないので、不死の呪いをかけられていないはずである。
なので、執着する理由が今のところ見当たらないのだ。

唯一の手掛かりと言えるのが「私の寄る辺を返せ」というミヤコ自身のセリフだ。
化け狼が送り狼に変質し、怪異譚になるきっかけとなったナニカがあるはずなので、そのナニカが青に結び付くものなのだろう。

ミヤコ

戦いの後に話が進んだ。
怪異譚「送り狼」はその場を離れ、青の部屋にミヤコが乗り込んできたようだ。

何度も離れ離れになっているからだろうか?
ミヤコの積極性が増している。

当初は、青の言葉に素直に従っていたミヤコだったが、相思相愛であるばかりに体を寄せ付け、褥を共にしようとしている。

だが、いいところで遮られるのはお約束のようだ。

逃げ去った送り狼、ヤマノケらしき陰、ほか2つの影が結託し、青の奪還に動いているようだ。

おわりに

管理人が、今回よかったシーンは柱場に抱えられたハスミの心の声を描いた場面だ。

わかるとも その気持ちに力の強さなど関係ない

出典:八月九日僕は君に喰われる。35刻 著者:tomomi

これまでハスミが柱場に向けて、蕩けた表情をたびたび向けていたが、仕草だけでなく、より鮮明に描かれた。
ハスミが何をきっかけに柱場を慕うようになったのか、わかるときがあるのかもしれない。

管理人
管理人

前日譚とかが読切で描かれることを期待!!

一方、物語本編は、ミヤコと送り狼の戦いは結末が見えないまま終わり、怪異譚の正体、ミヤコの正体が急に明かされ、物語の真相が一気に判明した35刻。

36刻では、怪異譚の集団の正体がわかるのだろうか。

コメント

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