七不思議狩り以降、知山アラタと速水ミハヤのつかず離れずの交流を見ていたわけだが、物語が進展する。
新章突入
アラタとミハヤの関係の変化をここしばらく見てきたが、新章に突入し、久しぶりに中園ナツメが登場した。
新章では、開かずの間にあった台本「悪魔の供物になった生徒を救え」の内容を深堀りし、悪魔の正体を探る内容になるようだ。
まだ始まったばかりだが、いくつも質問が思い浮かんでいるので解決することを期待したい。
- 悪魔とは何か?
- 「供物になった生徒」とは誰か?
- そもそもとして「悪魔の供物」と言いたくなるような事件とは、どんなことか?
- それはいつの出来事か?
- 学校の七不思議に関係があるのか?
- だとしたら、速水ミハヤとなにか関係があるのか?
- この台本の企画は、いつ頃か?事件の何年後?
- この台本を、開かずの間に置いたのは誰か?
アラタとナツメ
屋上で別れて以来、久しぶりのアラタとナツメである。
あのときは、方針が異なったために、陣営を異としたが、怪異を探る共同体である2人の関係は変わらないようだ。
ナツメさ…
出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第五十五問 著者:tomomi
あん?
速水先輩の正体は何だと思う?
アラタが、ナツメに本丸となる質問を投げかけてきた。
かくれんぼや人生ゲームを通して、ミハヤの感情に少しずつ近づくことができた。
ミハヤがまるで死後の世界を生きているかのようなセリフもあり、アラタとしてもその正体に踏み込まざるをえなくなったということだろう。
ナツメは「魔物」と称したが、今までにない表現であることが気になっている。
これまでお化け、幽霊、怪異、化け物、怪物に例えられてきたし、そのようなモノたちが登場してきたが、魔物という呼称は初めてである。
あえてナツメが「魔物」と言ったのは、これまで登場してきたナニカと異なり、常に実体を伴っているかだろうか。
悪魔の証明
約束の集合場所であった公民館には、一人の男が待っていた。
これより悪魔の証明を始めよう
出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第五十五問 著者:tomomi
台本を持ったその男は、アラタとの対話をするにあたって、ミハヤ以外の参加を認めていたようだが、
蓋を開けてみれば手を挙げたのは、ナツメだけであったようだ。
ここで「悪魔の証明」というキーワードが出てきた。
文字通り「『悪魔』の存在を証明しよう」という試みなのかもしれないが、「悪魔の証明」は、証明不可能な事案の例えた慣用句である。
わかりやすい例えがあったので、参考までに紹介する。
この章では台本を軸に物語が進むようだが、「悪魔の証明」というキーワード、ナツメとの会話を組合せると、ミハヤの正体が人間であることを示すこと(もしくは人間ではないことを示すこと)を解き進めるのがメインテーマになのだろう。
そして、これは物語の最後まで証明不可能だろう。
人間か?はたまた人のナリをした魔物か?なんて証明は、殺す以外に方法はないのだ。
いや、殺したとしてもわからない可能性もある。
まず、何をもって人間とするのかそこを突き詰めなけば、立証することができない。
速水ミハヤの正体に迫ることができるのかどうか、期待して待ちたいと思う。
おわりに
新章に突入し、ミハヤの正体に迫る可能性が出てきた。
個人的にも、ナツメが登場してきたのは嬉しい要素である。
待っていた男の正体、そして何が語られるのか、楽しみである。
次回、二〇二四年五月十七日更新予定。
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