第五十八問で、ついに速水ミハヤの正体にたどり着いた知山アラタ。
目を背けていた問題に向き合わざるをえなくなったが、果たしてどのような行動をとるのか。
決断を迫られる第五十九問の始まりだ。
七不思議
物語は、やっと夏休みがスタートした七月二十七日を迎えた。
新聞部との対決のときがテスト前であったので、かなり濃密な数日間であったことだろう。
それはさておき、夏と言えば怪談の季節だ。
夏季休暇の時間を使って、アラタがやることといえば、七不思議の調査であった。
ミハヤとともに早速、夜の学校に侵入したアラタは、プールに向かった。
本当の七不思議のひとつ
出典:つれないほど青くてあざといくらいに赤い 第五十九問 著者:tomomi
満月の夜 月が綺麗に映ったプールには 入ってはいけない
以前挑戦したとき(第三十六問)のときは、「水面が揺れていないときのプールには入ってはいけない」だったので、二人の会話の通り、満月の夜がトリガーなのだろう。
愛逝あいの証明
まるで入水による無理心中をするかのようなやり取りの末に、体を重ねてプールに飛び込んだアラタとミハヤ。
つれないほど青くて pic.twitter.com/Hy48GiFRlR
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美しい見開きだ。
これまではカラーのときは、ミハヤの色気を前面に押し出すものが強く、そうでなくともミハヤの道を外れた怖ろしさを表すような色使いだった。
しかし、今回はミハヤがではなく、アラタと二人だからこそ描けたイラストである。
プールなので飛び込んでもすぐに底についてしまったことや、まだ飛び込んだばかりで、大量の泡がたつ様子、一方で肺から少しだけ空気を吐き出しながら沈む描写が繊細で、見ている読者が息を忘れそうになるほどだ。
グラフィティにして飾りたい!
七不思議ならば
プールに沈んだところで終わってしまった第五十九問。
アラタの想いは確かめられたが、七不思議は解明できていないままである。
これまでの七不思議では、異世界にいったり、子供の幽霊や多くの亡霊がいたり、命を奪いかねない危険極まりない怪異であったりとさまざまであった。
プールの七不思議が、果たしてどれに当てはまるのだろうか。
水の事故は多いので幽霊あたりが妥当な線であるが、川や海、沼ではなくプールなので、早々事故など起きていないだろう。
とすれば、異世界に行くか、もっと別の怪異が登場するかの二択である。
しかし、これが本当に七不思議であれば、コンプリートになってしまう。
開かずの間、屋上、体育館、墓地、コックリさん、化学室の六つを制覇しているので、プールの話が七不思議ではない、もしくは、七不思議に含まれていない異常が含まれているのだろう。
おわりに
プールに沈むアラタとミハヤ。
呼吸が続かなくなったときアラタは何を見るのだろうか。
久しく答が描かれていないので、未来の話もそろそろ読みたい頃合いである。
次回、二〇二四年七月二十六日、更新予定。
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